特集
霧ヶ峰の美しい自然、景観を維持するために活動を行っている霧ヶ峰自然保護センター。霧ヶ峰の自然に興味を持ち、10年間通い続けていたという赤塚さんに、霧ヶ峰の自然の魅力や活動について語っていただきました。
人の手が入っているから
美しい景観が維持されている。
毎日自然を見ていると、朝昼晩で自然がどんどん動いて変わっていくんです。そこがすごく魅力的だと思います。初めて来られた方は、これが自然のありのままの姿だと感じられると思いますが、実は昔から人の手が入って整備されているんです。この美しい景観を維持していくことは大変ですが、大切なことだと思っています。
少しでも多くの方に
環境保護に携わってほしい。
景観の維持のためにこれだけの広さを管理していくとなると、とにかく人手が必要になります。うれしいことに環境を保護するにあたっては、首都圏から協力にいらしてくださる方もいます。この素晴らしい景観を維持していくのに、少しでもいいから多くの方に携わってほしい、仲間に入ってほしいと願っています。
自然との共生は大きな課題。
精力的な取り組みで成果が表れている。
近年、他の山岳地帯でも問題になっていますが、ビーナスライン沿線でもシカによる獣害が課題になっています。何もせずにいると、増えすぎたシカによって草原に咲くニッコウキスゲなどの植物が食べられてしまいます。現在、霧ヶ峰ではライトセンサス(生体数調査)などのシカ対策に取り組んでいて、成果が出てきている段階です。
この地域の仲間と一緒に
自然環境を保護していきたい。
私たちの活動は、ひとつの方法で問題を解決するということができなくて、色々知恵を出し合って、やってみて、結果を見て、という繰り返しだと思います。私ひとりでは何もできないですけど、霧ヶ峰の、この地域の仲間に入れてもらって、皆さんと一緒に素晴らしい自然環境を保護していきたいです。
赤塚淳一 / 霧ヶ峰自然保護センター自然公園管理員
長野県霧ヶ峰自然保護センターの自然公園管理員。登山が好きで、30代半ばから関東や東北の自然ビジターセンターで働く。霧ヶ峰の自然に魅せられ10年ほど前から通い始め、2016年から現職。シカの生体数調査など地道な研究も行っている。